債券のコンベクシティとは?デュレーションに曲率を加える
コンベクシティがデュレーションによる価格推定をどう補うか、金利が上下する計算例と適用上の注意を解説します。
このガイドの内容利回りが変わると債券価格は曲線に沿って動く
短い要約
デュレーションは、利回りに対する債券価格の変化を局所的な直線で近似します。コンベクシティは価格と利回りの関係の曲率を表し、二次の補正を加えます。内包オプションや利回り曲線の非平行な変化によって結果は変わります。
利回りが変わると債券価格は曲線に沿って動く
債券の市場価格は、今後受け取ると見込まれるキャッシュフローの現在価値です。割引に使う利回りが変われば、その現在価値も再計算されます。キャッシュフローが固定され、内包オプションのない通常の固定利付債では、利回りが上がると価格は下がり、利回りが下がると価格は上がる傾向があります。
価格を縦軸、利回りを横軸にすると、広い範囲では関係は直線ではなく曲線になります。現在の利回りにおける傾きはその時点の価格感応度を、曲率は利回りがさらに動いたときに傾きがどう変わるかを示します。CFA Instituteは[利回りベースの債券コンベクシティ解説]({source:cfaBondConvexity2026})で、デュレーションを線形近似、コンベクシティをその補完指標として説明しています。
デュレーションは現在地点の傾きを示す
修正デュレーションは、小幅な利回り変化に対する価格変化率を推定します。一次近似は ΔP/P ≈ −D × Δy で、Δyは小数で表します。修正デュレーションが6で利回りが0.01上がる場合、−6 × 0.01 = 約−6%です。小さな変化なら、現在価格での接線を使う簡便な見積もりになります。
この直線近似では、同じ幅の利回り上昇と低下が、同じ大きさで反対方向の価格変化を起こすとみなします。曲がった価格・利回りの関係は厳密には対称ではありません。FINRAの[債券デュレーション解説]({source:finraDurationExplainer})も、デュレーションを満期日ではなく価格感応度の指標として説明しています。

コンベクシティは傾きの変化を測る
コンベクシティは価格変化の二次効果です。修正デュレーションで一般的な近似式は ΔP/P ≈ −D × Δy + ½ × C × (Δy)² です。最初の項がデュレーションによる直線近似で、二つ目の項が曲率の補正です。利回りは小数で入力します。100bpは1%ポイント、つまり0.01、25bpは0.0025です。
オプションのない固定利付債では、利回りベースのコンベクシティは正です。そのため、利回りが上下どちらに動いてもコンベクシティ項は価格変化の推定値に加わります。利回り低下時はデュレーションだけの場合より上昇幅が大きく、利回り上昇時は下落幅が小さくなります。これはモデル上の感応度であり、高いコンベクシティが良い投資収益を保証するわけではありません。
上下両方の例で補正を確認する
仮に債券ポートフォリオの修正デュレーションが6、コンベクシティが45とします。関連する利回りが100bp上昇すると Δy = +0.01 です。デュレーション項は−6.00%、コンベクシティ項は ½ × 45 × 0.01² = +0.225%です。合計は、利息収入、スプレッド変化、費用などを除くと約−5.775%です。
利回りが100bp低下した場合、デュレーション項は+6.00%、コンベクシティ項は同じく+0.225%で、推定値は約+6.225%です。仮に10,000ドルのポジションなら約−577.50ドルと+622.50ドルです。計算方法を示す仮定例であり、予測でも確約でもありません。
内包オプションは価格曲線を変える
正のコンベクシティの例は、キャッシュフローが固定され、内包オプションがない場合を想定しています。期限前償還条項付き債券では、発行体が満期前に償還する権利を持ちます。利回りが低下すると繰上償還が有利になり、価格上昇が抑えられることがあります。住宅ローン担保証券も、借換えが進む金利環境では期限前返済が増え、予想キャッシュフローが変化します。
オプション行使が現実味を帯びる領域では、期限前償還条項付き債券のコンベクシティが負になる場合があります。利回り低下時の上昇余地は制約されても、利回り上昇時の下落リスクは残り得ます。CFA Instituteは[内包オプション債券の解説]({source:cfaEmbeddedOptions2026})で、こうした債券には実効デュレーションと実効コンベクシティを使うと説明しています。通常の固定利付債の例をそのまま当てはめないでください。
ポートフォリオの数値には平行移動の仮定がある
ポートフォリオのデュレーションとコンベクシティは、複数の債券キャッシュフローの金利感応度をまとめたものです。各保有銘柄の指標を時価比率で加重平均する方法がよく使われます。ただし多くの場合、利回り曲線が平行に動き、関連する各年限の利回りが同じ幅だけ変化する前提を置きます。
実際には短期・中期・長期の利回りが異なる幅で動き、曲線がスティープ化、フラット化、または別の形に変わることがあります。キャッシュフローの年限構成が異なるポートフォリオは、総合デュレーションとコンベクシティが似ていても異なる反応を示し得ます。キーレート・デュレーションなど年限別の指標も参考になります。債券のコンベクシティと、利回り曲線そのものの曲率は別の概念です。
数値を使う前に定義と基準日を確認する
債券ファンドのコンベクシティを比べるときは、定義、単位、基準日、修正・近似・実効のどれを示すかを確認します。内包オプションがある場合、実効指標は利回り変化に応じて予想キャッシュフローを再評価するモデルに依存します。モデル、金利ショック、保有銘柄の基準日や単位が違えば、数値を直接比較できないことがあります。
金利感応度と信用スプレッド、デフォルト、流動性、為替のリスクも分けて考えます。式の利回り変化は計算に使う利回り入力の変化であり、中央銀行の政策金利やすべての市場利回りの変化と同じとは限りません。債券ETFのデュレーションと金利リスクと、先物と先渡しの決済時点に関する別のコンベクシティ調整解説も参照してください。
コンベクシティはシナリオの補正に使う
デュレーションとコンベクシティが答えるのは限定的な問いです。指定した利回りショックと測定上の前提で、直線的なデュレーション推定から価格感応度がどれほど変わるかを考えます。将来利回り、総収益、損失回復までの時間、債券がポートフォリオに適するかは予測しません。
ショックの大きさと単位、指標の慣例、一定としたリスクを記録しましょう。結果は近似として扱い、価格、保有銘柄、予想キャッシュフローや利回り曲線が変わったら入力を見直します。一つのコンベクシティ数値は基準点周辺の曲率を示すもので、全リスクの評価点ではありません。
推定した価格感応度と、実際に得られたトータルリターンは分けて考えます。デュレーションとコンベクシティは、ある評価日時点の価格が、指定した利回りショックにどう反応し得るかを表します。保有期間中の実績には、クーポン収入、イールドカーブ上の経過による効果、信用スプレッドの変化、取引コスト、予想キャッシュフローの変化も含まれます。初期の推定値と後のリターンを比べる際は、測定期間とリスク要因をそろえ、差を生んだ要素を分けて確認してください。近似の評価には役立ちますが、リターンを約束するものではありません。
よくある質問
Q1コンベクシティとデュレーションは同じですか?
違います。デュレーションは一次の局所感応度、コンベクシティは利回り変化でその感応度が変わる二次の曲率を示します。
Q2正のコンベクシティがあれば債券は損をしませんか?
いいえ。特定シナリオでオプションのない債券の価格反応を調整するだけで、金利、信用、流動性、デフォルトなどのリスクは残ります。
Q3異なるファンドのコンベクシティ値をそのまま比較できますか?
定義、単位、基準日、モデル、曲線の前提を確認してから比較してください。内包オプションの実効コンベクシティは金利とキャッシュフローのモデルに左右されます。
出典
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問題 01
コンベクシティはデュレーション推定に何を加えますか?
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