フォールン・エンジェルとライジング・スター:債券格付けの変化を解説
フォールン・エンジェルとライジング・スターの意味、格付け変更の価格やファンド規則への影響、格下げがデフォルトと異なる理由を解説します。
このガイドの内容「フォールン・エンジェル」と「ライジング・スター」とは?
短い要約
フォールン・エンジェルとは一般に、投資適格から投機的格付け(ハイイールドとも呼ばれます)へ格下げされた社債または発行体を指します。ライジング・スターは反対方向に格上げされたものです。この呼び名が示すのは信用格付けの区分をまたいだ移行であり、企業がすでに債務不履行になったこと、債券価格が一定額だけ上昇または下落すること、すべての指数やファンドが同じ扱いをすることではありません。変化を理解するには、どの格付けが変わったのか、どの債務が対象なのか、ファンドや指数の規則が実際に何を求めているのかを確認します。
「フォールン・エンジェル」と「ライジング・スター」とは?
債券市場で一般的な意味では、フォールン・エンジェルは以前は投資適格だったものの、その後この区分を下回る格付けになった債務です。ライジング・スターは投機的格付けから投資適格へ移行した債務です。いずれも格付けの移行を表し、別種の債券契約を意味するものではありません。
S&P Global Ratingsの長期格付けでは、BBB−が投資適格の最下位、BB+が投機的格付けの最上位です。Moody’sは異なる記号を使い、Baaは中位、Baは投機的と位置付けます。S&Pの基準でBBB−からBB+への変更は典型的なフォールン・エンジェル、BB+からBBB−への変更はライジング・スターの例です。S&Pの格付け尺度の概要で分類を確認でき、Moody’sの尺度には独自の用語があります。
この境界はすべての債券に共通する単一の切り替え点ではありません。格付け会社同士で見解が異なることがあり、発行体格付けと個別債券の格付けも違う場合があります。指数提供会社や投資ファンドにも、どの会社のどの格付けや証券を対象とするか独自の規則があります。
格付け尺度から何が分かる?
信用格付けは、相対的な信用リスクについての格付け会社の意見です。発行体が必ず支払うという約束でも、デフォルトを防ぐ保証でも、債券の市場価格予測でもありません。格付け会社は発行体の情報を調べ、事業・財務・経済状況の変化に応じて判断を変えることがあります。S&Pは格付けを意見と位置付け、投資家が検討する複数の情報の一つとしています。
格付けの変更は、発行体全体または特定の債券に適用されます。S&Pは、組織全体の信用力を評価する発行体格付けと、優先順位や担保など個別債務の特徴を考慮する債券格付けを区別しています。そのため、同じ会社の債券でも格付けが異なることがあります。発表が会社、特定の債券、または両方のどれを対象にしているか確認してください。
アウトルックやウォッチの通知も、確定した格下げ・格上げとは異なります。格付け会社の手続き上、今後の方向性や審査の可能性を示すものです。格付け自体が変わるのは、格付けアクションが公表されたときです。発表を読み、発効する格付けと対象債務を特定します。

債券が格付けの境界をまたぐのはなぜ?
返済リスクに対する格付け会社の評価が変わると、格付けも変わることがあります。現金収支の悪化、負債の増加、借り換え手段へのアクセス低下、事業見通しの変化、財務基盤の改善などが要因になり得ます。業界や経済全体の状況も影響します。要因は発行体や業種ごとに異なるため、単一の比率やニュースの見出しだけで格付け変更の全容を説明できるとは限りません。
格下げは、借り手がすぐに支払いを滞らせるという意味ではありません。投資適格を下回った後も利払いを期日どおり続ける企業について、格付け会社が将来のストレスに耐える力の低下を判断することもあります。反対に格上げは信用状況の改善を示す場合がありますが、財務リスクや市場リスクをなくすものではありません。
格付けの対象は信用力ですが、投資成果は債券価格、クーポン、満期、優先順位、繰上償還条項、流動性にも左右されます。SECの社債に関する案内では、状況や見通しが変われば格付けが見直され、変更されることがあると説明されています。
格下げ・格上げは債券価格にどう影響する?
格付けが下がると、信用リスクを負う対価として投資家がより高い利回りを求めることがあります。市場が要求する利回りが上がり、約束されたキャッシュフローが変わらなければ、債券価格は通常下がります。ただし、格付けの記号だけで価格反応が決まるわけではありません。米国債利回り、予想デフォルト損失、回収見込み、流動性、投資家需要も同時に変わる可能性があります。
市場が格付け変更を先取りすることもあります。信用悪化がすでに予想されていれば、格下げの公表前に債券価格やスプレッドが動く場合があります。発表された措置が予想ほど厳しくなければ、価格反応が小さい、あるいは反対方向になることもあります。格付け変更は情報であって、価格を決める固定式ではありません。
格上げでは逆の動きも考えられます。他の条件が同じなら、信用リスクの低下は価格上昇やスプレッド縮小を支える可能性があります。それでも改善がすでに価格に織り込まれていたり、別の理由で基準金利が上がったりすれば、債券価格が上昇しないことがあります。社債利回りが米国債利回りと異なる動きをする理由は米国債利回りが低下しても社債利回りが上がることがある理由を参照してください。
フォールン・エンジェルはすでにデフォルトしている?
いいえ。投資適格から投機的格付けへの格下げそのものは、支払い遅延や破産ではありません。格付け会社の評価がカテゴリーの境界を越えたことを意味します。デフォルトは、債務条件と該当する格付け会社の基準で定義される別の事象です。
SECによると、ハイイールド債は一般に投資適格債よりデフォルトリスクが高いとされています。これは相対リスクの説明であり、ハイイールド発行体がすべてデフォルトする、または投資適格発行体が必ず問題なく支払うという意味ではありません。債券保有者は価格変動、流動性問題、債務再編、デフォルトによって損失を被ることがあります。
そのため、格付け区分だけでなく、発行体の資金創出力、債務の満期、流動性、担保や弁済順位、個別債券の書類も確認しましょう。格下げ後にクーポンや利回りが魅力的に見えるのは、買い手が追加リスクへの補償を求めるためかもしれません。ただし高い数値だけでは補償が十分かどうかは分かりません。
格下げでファンドに売却義務が生じる?
ファンドや運用方針が投資適格債だけに保有を限定している場合、格下げによって債券が方針の範囲外になることがあります。その後の対応は目論見書、運用ガイドライン、指数の算出方法で決まります。一定の保有猶予期間を認めたり、複数社の格付けを使ったりする規則もあれば、別の判定方法を使う商品もあります。1社が格付けを変更した直後に、すべての債券ファンドが売却するとは限りません。
指数ごとにフォールン・エンジェルの定義が異なることもあります。例えばS&P Dow Jones IndicesのiBoxx USD Corporates Fallen Angels指数は、対象となるドル建て債券の格付け、規模、残存期間の条件を定めています。一般的な意味でフォールン・エンジェルに当たる債券でも、その指数の対象になるとは限りません。
ファンドが売却する場合、時期や市場への影響は規則、債券の流動性、他の投資家の見方、取引規模によって変わります。売りが広がる可能性はありますが、確実ではありません。指数の名称だけで証券の将来リターンを予測することもできません。ファンド名だけで判断せず、最新の目論見書と保有状況を確認してください。
投機的格付けの債券がライジング・スターになると?
該当する格付け尺度や投資ルールで投機的格付けから投資適格へ上がると、ライジング・スターと呼ばれます。格付け改善によって、その債券を検討できる投資家や指数の範囲が広がる可能性はありますが、組み入れは個々の運用方針や指数の算出方法次第です。格上げを事前に見込む投資家もいれば、正式な確認を待つ投資家もいます。
この移行によって過去のリスクが消えたり、価格上昇が保証されたりするわけではありません。債券価格は予想、基準金利、残存期間、クーポン、流動性、発行体の財務状況を反映します。格上げは信用状況を改めて評価する材料であって、債券が無リスクになった、または市場を上回ると証明するものではありません。
S&P Global Ratingsは信用レポートで格付けの移行を追跡し、投機的格付けから投資適格へ格上げされた発行体をライジング・スターと定義しています。2024年データ補足資料は、統計上の定義で対象となる発行体や残高を指定できることも示しています。
格付け変更後の債券をどう評価する?
まず対象証券と格付け変更を特定します。格付け会社、変更前後の格付け、発行体格付けか個別債券格付けか、発効日、アウトルックやウォッチの状況を確認してください。複数社が格付けしている場合は、1つの尺度を市場全体の判断とみなさず、各社の最新評価を比べます。
次に信用情報と契約条件を確認します。キャッシュフロー、債務の満期、流動性、担保と弁済順位、財務制限条項、繰上償還条件、現在の価格と利回りを見ます。ファンドについては目論見書、格付け方針、ベンチマーク、保有銘柄、手数料、格下げで許容されるポートフォリオが変わるかを確認します。指数の採用条件は提供元ごとに異なるため、最新の算出方法を読みましょう。
最後に、信用リスクと他のリターン要因を分けて考えます。基準利回りが低下する中で格下げされることも、基準利回りの上昇中に格上げされることもあります。市場価格は格付けの名称だけでなく、情報全体に反応します。このガイドは米国社債の一般的な格付け用語を説明するもので、リアルタイムの格付け報告や売買推奨ではありません。
よくある質問
Q1フォールン・エンジェルはジャンク債と同じですか?
通常は投資適格だった債券が投機的格付けに下がったものを指し、ハイイールド債やジャンク債とも呼ばれます。当初からハイイールドとして発行された債券も同じ格付け区分に属しますが、フォールン・エンジェルではありません。
Q2投資適格格付けなら債券の返済は保証されますか?
いいえ。格付けは相対的な信用力についての意見であり、保証ではありません。発行体は財務上の圧力に直面することがあり、信用要因や市場要因で債券価格が下がることもあります。
Q3格下げ後、すべての債券ファンドは売却しなければなりませんか?
いいえ。規則は目論見書、運用方針、指数の算出方法で決まります。投資適格に限定する戦略の中には投機的債券を制限するものもありますが、保有猶予を設けたり、追加の格付け条件を使ったりする商品もあります。
出典
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問題 01
S&Pの長期格付け尺度で、フォールン・エンジェルの典型例となる移行はどれですか?
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