米国の消費者信頼感:Conference Boardとミシガン大学の指数を比較
Conference Boardの消費者信頼感指数とミシガン大学の消費者センチメント指数について、質問、尺度、算出方法、解釈上の限界を比較します。
このガイドの内容消費者信頼感の数字が二つあるのはなぜ?
短い要約
Conference Board消費者信頼感指数とミシガン大学消費者センチメント指数は、米国の家計を対象とする別々の調査から作られています。質問、見通す期間、指数の算式、基準期間が異なるため、指数の水準をそのまま比べることはできません。両者に差があっても矛盾ではなく、どちらも実際の消費支出を集計した統計でも、単独で景気後退を予測する指標でもありません。
消費者信頼感の数字が二つあるのはなぜ?
報道では両方の発表を「消費者信頼感」と呼ぶことがありますが、これは共通のテーマを指す言葉であり、同じ統計という意味ではありません。Conference BoardのConsumer Confidence Surveyとミシガン大学のSurveys of Consumersは、それぞれ独自に設計された質問と合成指数を持つ別個の調査です。Conference BoardはConsumer Confidence Index(CCI)、Present Situation Index、Expectations Indexを公表します。ミシガン大学はIndex of Consumer Sentiment(ICS)、Index of Current Economic Conditions、Index of Consumer Expectationsを公表します。各指数はそれぞれの調査回答を要約したもので、政府が購入額や家計所得を数えた統計ではありません。
重点も異なります。Conference Boardの指数には、現在の企業活動と雇用の状況に加え、6か月先の企業活動、雇用、家族の総所得に関する見通しが含まれます。ミシガン大学の5つの質問は、家計の財務状況、国全体の景気の短期・長期見通し、耐久消費財を買う時期として適切かを扱います。両機関は[調査の技術ノート]({source:conferenceBoardConsumerConfidenceTechnicalNote})と[指数の算出資料]({source:umichConsumerSentimentIndexCalculations})で構成を説明しています。
そのため、同じ月の発表が逆方向に動いても、どちらかが間違いとは限りません。回答者は現在の雇用には以前より前向きでも、今後1年間の家計の財務状況には不安を感じているかもしれません。見出しの数値を読む前に、どの調査・構成項目・対象月・データ版を指すのか確認しましょう。
Conference Boardは何を測っている?
Conference BoardのConsumer Confidence Indexは5つの質問をもとに作られます。2つは現在の企業活動と雇用の状況について尋ねます。残る3つは、6か月後の企業活動、雇用、家族の総所得について尋ねます。Present Situation Indexは現在の状況に関する2問の指数の平均、Expectations Indexは先行きに関する3問の指数の平均です。総合CCIは5つすべてを平均します。[Conference Boardの技術ノート]({source:conferenceBoardConsumerConfidenceTechnicalNote})に質問と算出方法が記載されています。
各質問には、好意的、否定的、中立の回答があります。技術ノートによると、季節調整済みの回答割合を用い、好意的な回答数を好意的と否定的な回答の合計で割った相対値を算出します。各質問の値を1985年の平均を基準に指数化した後、構成指数を平均します。そのため、中立回答は相対値の分母に、好意的または否定的な回答と同じ形では入りません。
この指数は調査回答の要約であり、信頼感を持つ家計の割合ではありません。CCIが100でも回答者の100%が楽観的という意味ではなく、指数が5ポイント動いても家計の態度が5パーセントポイント変化したという意味ではありません。[現在の系列ページ]({source:conferenceBoardConsumerConfidenceSeries})は、米国の指数を1985年=100の基準で示しています。この基準は系列内の比較点であり、確率や支出額ではありません。
ミシガン大学のセンチメント指数は何を測っている?
ミシガン大学のIndex of Consumer Sentiment(ICS)は、別の5つの質問から作られます。家計の財務状況が1年前より良いか悪いか、1年後には良くなるか悪くなるか、今後1年間の米国経済はどうなるか、今後およそ5年間に好況が続くか広範な失業が起きるか、そして主要な耐久消費財を買うのに今が良い時期かを尋ねます。ミシガン大学は質問の一部からCurrent Economic ConditionsとConsumer Expectationsの各指数も公表します。[調査の説明]({source:umichSurveysConsumerDescription})では、より広い質問票についても紹介しています。
指数を構成する各質問では、好意的回答の割合から否定的回答の割合を引き、100を足して相対スコアを計算します。5つのスコアを整数に丸めて合計し、6.7558で割ってから2.0を足します。この定数は、系列の歴史的な尺度と標本設計の調整を維持するために使われます。[公式の算出シート]({source:umichConsumerSentimentIndexCalculations})には、式と2つのサブ指数の別々の計算方法が示されています。
したがってICSは、CCIの名前を変えただけの指数ではありません。家計自身の財務状況の変化と見通し、国全体の長期的な状況、耐久消費財の購入環境を含みます。[ミシガン大学の調査説明]({source:umichSurveysConsumerDescription})が示すとおり、センチメント指数は月次調査全体から得られる複数の要約値の一つです。
二つの指数の水準を比べられないのはなぜ?
Conference Boardの系列は1985年を基準年とし、ミシガン大学のセンチメント指数は1966年を基準期間として尺度調整されています。さらに重要なのは、出発点となる質問も回答の変換方法も異なることです。Conference Boardは好意的回答を好意的・否定的回答の合計で割った相対値を作り、基準に合わせて指数化します。ミシガン大学は好意的と否定的な回答の差に定数を足し、独自の尺度係数を適用します。数値が同じように見えても、回答者の態度が同じとは限りません。
仮の例として、同じ月のConference Boardの値が92、ミシガン大学の値が58だったとします。92の方が大きいからConference Boardの方が信頼感が高い、あるいは差は34ポイントだ、と結論づけるのは適切ではありません。尺度が異なるからです。100を下回る値は、その指数自身の基準期間と算出方法に照らして低いことを表し、楽観的な家計が100%未満という意味ではありません。
同じ系列内の変化は系列間の水準比較より有用ですが、ポイントの変化も信頼感の割合の変化ではありません。Conference Boardが90から93に上がるのは、その系列で3指数ポイント上昇したという意味であり、信頼感を持つ家計が3%増えたという意味ではありません。二つの調査を比べる際は、方向と構成項目を別々に説明し、質問の表現、期間、発表時期の違いを確認しましょう。
月ごとの変化が食い違うことがあるのはなぜ?
質問が対象とする期間が異なります。Conference Boardの期待項目は6か月先を見ます。ミシガン大学は1年後の家計財務、今後1年間の国全体の景気、およそ5年先の経済状況を尋ねます。回答者は遠い将来を心配しながらも、近い将来の採用は持ちこたえると考えるかもしれませんし、その逆もあり得ます。そうした回答は二つの総合指数に異なる形で反映されます。
現在の状況についても質問は異なります。Conference Boardは現在の企業活動と雇用状況を尋ねます。ミシガン大学のCurrent Economic Conditionsは、家計の財務状況を1年前と比較する質問と、主要耐久財を買う時期に関する質問を組み合わせます。仕事の見つけやすさ、個人の現在の財務、まとまった買い物をする意欲は、必ずしも同じ方向には動きません。物価、借入コスト、所得の不確実性、購入時期がそれぞれ異なる経路で回答に影響します。
算式も回答パターンを異なる形で反映します。Conference Boardは5問の指数を平均し、Present Situationには現在の2問、Expectationsには先行きの3問を使います。ミシガン大学のICSは丸めた5つの相対スコアを組み合わせ、二つのサブ指数には別の質問群と尺度定数を使います。回答、分類、標本設計、重み付け、尺度変換が異なるため、月次変化を平均したり差し引いたりして「真の」信頼感を作ることはできません。
標本のばらつきや公表方法も、単月の数字を過大解釈すべきでない理由です。どちらも調査回答から態度を推定するため、小さな変化はどの家計が回答したかに部分的に左右されます。元の発表で公表時期、速報値か確報値か、季節調整、後日の改定を確認しましょう。ミシガン大学の[FAQ]({source:umichSurveysConsumerFaq})は質問と算出方法の技術資料を案内し、Conference Boardの技術ノートは独自の回答調整と公表手順を説明しています。比較する際は各系列のデータ版を明記してください。
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逆方向のシグナルをどう読む?
あくまで仮定の例として、Conference BoardのExpectations Indexが4ポイント低下し、ミシガン大学のICSが2ポイント上昇したとします。二つを平均したり、どちらかの調査が誤りだと決めつけたりしないでください。まず動いた構成項目を確認します。Conference Boardの指数は雇用、企業活動、家族所得の6か月先の見通しを反映しているかもしれません。一方、ミシガン大学の総合指数には現在の家計財務、耐久財の購入状況、国の長期見通しも影響します。
次に、見出しの数字だけでなく、構成項目の表と回答割合を確認しましょう。期待が弱まる一方で現在の状況は改善したのでしょうか。家計の悲観が和らいだのか、それとも好意的な回答が実際に増えたのか。構成要素が互いに相殺して総合指数が動くこともあります。ミシガン大学の好意的回答と否定的回答の差を使う式は、Conference Boardの相対値変換と同じものではありません。
最後に、知りたい結果を測るデータと各調査を照らし合わせます。家計が実際にいくら使ったかが知りたい場合は、信頼感を支出とみなさず、BEAの[個人消費支出(PCE)]({source:beaPersonalConsumptionExpenditures})などの支出系列を確認します。採用や仕事の見つけやすさが知りたい場合は、定義を確認したうえで労働市場の発表と比べます。センチメント指数は認識や意向の背景を補いますが、実際の販売、雇用、所得の変化の原因を特定するものではありません。
信頼感指数は支出や景気後退を予測する?
消費者の態度は、家計が自身の財務や経済をどう見ているかを知る手がかりです。ミシガン大学の調査は、態度と貯蓄、借入、裁量的な購入などの判断との関係も調べています。しかし、調査回答は購入記録ではありません。家計は不安を感じながらも、食料品、光熱費、家賃など必要な支出を続けることがあります。反対に、楽観的でも信用コストが高ければ自動車や家電の購入を先送りするかもしれません。価格、所得、負債、資産、信用へのアクセス、家計の事情はいずれも支出に影響します。
景気後退についても同じ注意が必要です。期待指数の低下は調べる価値のある警告になり得ますが、単一の基準値や月次の低下だけで、景気後退が始まった、あるいは起きると証明することはできません。総合指数だけで、回答者の見方が変わった原因、その変化が一時的かどうか、家計や企業がどう行動するかは分かりません。景気の評価や景気後退の判定には、複数の実績データと明確な分析方法が必要です。
調査指数は雇用、所得、生産、支出のデータと併せて使いましょう。知りたいことに合う指標を選びます。総合的なセンチメントは態度の概要を示し、構成指数は現在の状況や期待の変化に注目する助けになります。対象月と公表データ版を記録し、投資の売買シグナルや的中率が保証された予測として使わないでください。
どちらの指標を使えばよい?
現在の企業活動や雇用の評価と、企業、仕事、家族所得についての6か月先の見通しをまとめて見たいなら、Conference BoardのConsumer Confidence Indexが適しています。Present SituationとExpectationsの指数で現在と先行きの二つを分けて確認できます。家計の財務比較、耐久財を買う環境、複数の期間にわたる国の経済見通しを含む5問の総合指数が必要なら、ミシガン大学のIndex of Consumer Sentimentを見ましょう。Current Economic ConditionsとConsumer Expectationsは、異なる質問群から作られた内訳です。
直接比べる場合は、指数名、構成項目、対象月、公表日、データ版、尺度を記録してから変化を比べます。一方の生の水準を他方と比べず、それぞれを自身の過去と照らし合わせてください。消費者、労働者、経済についての主張に置き換える前に、質問の定義を確認します。
実際の消費支出が知りたい場合は、調査の背景情報にBEAのPCEやCensusの小売売上高を加えて確認します。小売売上高とPCEの比較ガイドでは、実績支出を測るこの二つの統計で対象範囲が異なる理由を説明しています。家計の受け止め方に影響する価格変化についてはCPI、PCE、GDPデフレーター、雇用環境についてはCES事業所雇用とCPS家計雇用の比較をご覧ください。態度、購入、価格、雇用をそれぞれの統計範囲に沿って捉えられます。
よくある質問
Q1ミシガン大学の指数はConference Boardの消費者信頼感指数と同じですか?
いいえ。どちらも米国の家計調査を要約しますが、質問、構成項目、算式、基準期間は異なります。それぞれの指数は同じ系列の中で読みましょう。
Q2指数が100を下回ると、信頼感を持つ消費者が100%未満という意味ですか?
いいえ。指数は人の割合ではなく、尺度を持つ合成値です。100未満の値は、その指数独自の基準期間と算出方法に照らして解釈します。
Q3消費者が実際にいくら使ったかを知るには、どの指数を見ればよいですか?
どちらも実際の支出額を示しません。実績支出にはBEAのPCEやCensusの小売売上高統計などを使い、対象範囲の違いも確認してください。
出典
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問題 01
Conference Boardとミシガン大学の指数水準を直接比較してはいけないのはなぜですか?
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