社債コベナンツとは:インデンチャー、債務制限、財務テスト
社債のインデンチャーとコベナンツ、積極的義務と制限条項の違い、定義や例外が比率計算に与える影響を解説します。
このガイドの内容インデンチャーは契約、コベナンツはその条項
短い要約
社債コベナンツは、社債を規律する契約に定められた約束や制限です。インデンチャーは報告を義務づけたり、新たな借入や分配を制限したり、特定の行為の前に財務テストを設けたりします。実際の保護は定義、例外、判定日、違反時の手続きで決まり、「コベナンツがある」というだけでは分かりません。 本稿は米国社債でよく使われる用語を教育目的で説明します。特定契約の法的解釈や、デフォルト、回収額、投資結果の予測ではありません。
インデンチャーは契約、コベナンツはその条項
インデンチャーは発行体と、社債権者のために選任された受託者との法的契約です。社債の条件、発行体の義務、保有者の権利を定めます。コベナンツは、その中の個別の約束、情報提供義務、制限、テストです。FINRAの債券ガイドは受託者とインデンチャーの役割を説明しています。
募集資料が条件を要約していても、実際の適用は全文と定義条項で確認します。Investor.govによると、社債契約には追加債務を制限したり、財務比率の維持を求めたりする条項が含まれることがあります。こうした条項は一部の信用リスクを抑えるもので、デフォルトをなくすものではありません。
積極的コベナンツは行為を求め、制限条項は行為を制約する
積極的コベナンツは、発行体や保証人に利息・元本の期限内支払い、財務諸表や遵守証明の提出、法人格の維持、税金の支払い、必要な保険の維持などを求めます。対象となる法人や期限は契約で決まります。
制限条項は追加借入、担保権、配当その他のrestricted payment、資産売却、合併、関連会社取引を制限することがあります。担保付き債務、保証、社債を保証しない子会社には別のルールが適用される場合があります。分類は便宜的なもので、統一された完全な一覧ではありません。
SECに提出された過去のインデンチャーの例には、財務情報、税金、制限付き支払い、負債、資産売却、担保権について個別の条項があります。これは特定の過去の契約例であり、共通の標準書式ではありません。
maintenance testとincurrence testは異なる問いを扱う
maintenance covenantは、四半期末など定められた日に財務指標が限度内かを確認します。単純化した例では、負債/EBITDA比率を上限以下に維持します。判定日に上限を超えた場合、通知、是正期間、デフォルト条項が次の手順を定めます。
incurrence testは、予定する行為が実行時点で許されるかを問います。新規借入は、借入後の契約上のレバレッジ比率がしきい値以下の場合だけ認められることがあります。行為の間に比率が悪化しただけで違反になるとは限らず、トリガーは契約文言で確認します。
例えば、定義上の負債が7億2,000万ドルのまま、定義上のEBITDAが1億8,000万ドルに減ると比率は4.0倍、1億7,000万ドルなら約4.24倍になります。メンテナンス・テストは定期的な基準日に比率を確認する一方、インカランス・テストは対象となる行為を発行体が行う時だけ確認する場合があります。同じ業績悪化でも契約上の結果は異なり得ます。トリガー、測定期間、バスケット、是正権は契約で確認してください。

比率の例は定義が結果を変えることを示す
仮に、契約上のレバレッジ比率が4.0倍以下なら追加借入を認めるインデンチャーがあるとします。定義上の債務が7億2,000万ドル、EBITDAが2億ドルなら、単純な比率は3.6倍です。他の条件が変わらず8,000万ドル借り入れると、8億ドル÷2億ドルで4.0倍になります。
この計算でEBITDAに5,000万ドルの加算を認める契約なら、分母は2億5,000万ドルとなり、同じ8億ドルの債務でも3.2倍です。すべての契約が加算を認めるわけではありません。現金控除、対象子会社、pro forma調整、調整上限などは契約により異なります。数字は説明用の仮定です。
同じ前提では、4.0倍の上限は契約上定義されたEBITDAが2億ドルの場合、定義上の負債が最大8億ドルという意味です。すでに算入された7億2,000万ドルと比べると、単純な残り枠は8,000万ドルで、例の追加借入がその全額を使います。さらに1,000万ドルが分子に加われば、8億1,000万÷2億=4.05倍となり、この比率テストを超えます。ただし別のバスケットや許可条項が使える場合もあり、比率だけでは借入の可否は決まりません。テストを通過しても、各利払い日に現金があるとは限りません。EBITDAは契約上の利益指標で、手元資金ではなく、利息、税金、設備投資、運転資本の必要額を控除しません。測定期間、対象会社、流動性、債務の満期を別々に確認してください。
バスケットと例外が制限の実質的な余地を決める
バスケットは、一般的な比率テストを満たさなくても、一定額の債務、担保、資産売却、restricted paymentを認める場合があります。固定額のものもあれば、資産、利益など契約で定義された指標に応じて増えるものもあります。別の比率テストで追加余力を認めることもあります。
金額の計算方法、利用できる子会社、未使用枠の繰越し、別の許可条項への再分類が可能かを確認します。例外は実質的な制限を大きく変えます。借入の許可だけで、その債務を資産で担保できるとは限りません。
例えば、契約に4,000万ドルの固定債務バスケットがあり、既存借入1,500万ドルがそこから差し引かれるとします。他の条件を考える前の単純な残額は2,500万ドルです。ただし、新たな2,500万ドルの借入が自動的に許可されるわけではありません。子会社と共有する枠か、既存のデフォルトがないことが条件か、担保権や保証に別の制限があるかを確認します。契約が同時利用や再分類を認めない限り、この枠を比率テストの余力に加算できません。
追加借入に関するコベナンツと担保権の制限は、別の行為を規律します。新たな借入は認めても、特定資産への優先担保設定を制限する契約があります。担保設定を認める条件として、社債権者に同順位の担保を付ける場合もあります。担保バスケットを満たしても、別の負債バスケットを満たすとは限りません。両方を比較し、借入余力と担保順位を確認してください。
コベナンツ違反が直ちに期限前返済を意味するとは限らない
契約はdefaultとevent of defaultを定義し、通知、猶予期間、是正権、重要性基準を設けることがあります。報告の遅延、禁止された借入、利払いの不履行では手続きが異なる場合があります。技術的な違反がすべて直ちに期限の利益喪失につながるとは考えないでください。
cross-defaultとcross-accelerationも別の条項です。前者は指定された別債務のdefaultを参照し、後者はその別債務が実際に期限前弁済となったことを要件にする場合があります。しきい値、定義、是正期間は契約で確認します。受託者の権限も契約と法律に従い、通知や保有者の指示が必要なことがあります。
具体的な救済手段を確認するには、違反からイベント・オブ・デフォルト、期限の利益喪失の可能性まで各段階を追います。通知と是正期間が必要か、誰が行動できるか、保有者に最低元本額の要件があるか、受託者に書面指示や費用・責任への補償が必要かを確認してください。これらの条件は時期や救済手段に影響します。手続きは契約と準拠法で決まり、「違反」という言葉だけではどの段階にあるか分かりません。
covenant-liteはコベナンツがない、または低リスクという意味ではない
covenant-liteは、特定の定期的な財務maintenance testがない債務を指すことが多い用語です。それでも報告義務、支払条件、担保制限、incurrence制限、default条項が残る場合があります。用語の使われ方は市場や商品で異なります。
この表示だけでは安全性、リスク、公正価格は分かりません。キャッシュフロー、流動性、満期、担保、優先順位、保証、価格、契約全体を確認します。制限条項は特定の行動を抑えても、支払能力や回収額を保証しません。担保付き・無担保社債とfallen angels・rising starsも参考になります。
債券スプレッドは市場価格の指標であり、契約上の権利を要約するものではありません。債券スプレッドの指標も比較してください。
比較する前に要約ではなく適用条項を読む
発行体、保証人、社債シリーズ、適用インデンチャー、修正文書、文書の日付を確認します。判定日、計算式、定義、許可される行為、バスケット、例外、停止条件、通知、是正期間、違反の結果を記録します。発行体、保証人、どの子会社に適用されるかも確認します。
何が義務または禁止か、どの定義が比率を変えるか、継続テストか行為前の条件か、どの例外があるか、違反後に誰が動くかを確認してください。同じ会社の社債でもシリーズごとに条件は異なり得ます。FINRAとInvestor.govは背景資料で、SEC提出済みインデンチャーは詳細の例です。一般情報であり、法律相談や投資推奨ではありません。
定義語は別の条項を参照することが多いため、相互参照を最後までたどってください。追加借入の許可と、担保権・保証・調達資金の使途に関する制限は分けて確認します。一つの条項を満たしても、他の条項まで自動的に満たすとは限りません。関連する負債、担保、保証、支払いの条項を合わせて読みましょう。
よくある質問
Q1社債のインデンチャーは目論見書と同じですか?
いいえ。インデンチャーは発行体、受託者、関係者の契約条件を定めます。目論見書は重要事項を要約することがありますが、詳細なコベナンツと変更は適用契約で確認します。
Q2コベナンツ違反で直ちに社債が期限前返済になりますか?
必ずしもそうではありません。通知、是正期間、猶予期間、保有者の行動が必要な場合があります。期限前返済と救済措置は契約と適用法によります。
Q3covenant-liteとは何ですか?
通常、特定の定期的な財務maintenance testがないことを指し、すべてのコベナンツがないわけではありません。制限、保護、例外、発行体の状況を確認してください。
出典
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問題 01
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