先物の建玉はどう増減する?新規と決済の組み合わせを解説
先物の建玉が増える、減る、変わらない条件と、1回の取引を1契約として数える理由、出来高だけでは新規か決済か分からない理由を解説します。
要点
先物の建玉は、反対売買や決済後も残っている契約数です。1回の約定でも、両当事者が新規なのか決済なのかによって、建玉は増加、不変、減少のいずれにもなります。
建玉は買い手と売り手を二重に数えません
すべての先物取引には買い手と売り手がいますが、対応する1契約は建玉では最大1契約として数えます。
CME Groupは建玉の計算では取引の片側だけを数えると説明しています。CFTCは、まだ反対売買や受渡しで消滅していない契約数と定義しています。
したがって建玉1,000枚は2,000枚ではなく、対応する1,000組のロングとショートの義務を意味します。
建玉と出来高の違いでは、2つの統計が異なる問いに答える理由を説明します。
新規と決済の組み合わせが増減を決めます
両者が新しいポジションを作る場合、建玉は約定数量だけ増えます。
一方が新規で他方が既存ポジションを決済する場合、1つの義務が別の義務に置き換わるため、建玉総数は変わりません。
両者が既存ポジションを決済する場合、建玉は約定数量だけ減ります。
買いが必ず新規、売りが必ず決済という意味ではありません。買い手も売り手もポジションを新規、追加、縮小、決済できます。
計算例:出来高24枚でも建玉は5枚だけ増える
ある限月の開始時の建玉を1,000枚とします。
まず両者が新規の取引が12枚成立すると、建玉は1,012枚になります。
次に新規側と決済側の間で5枚成立すると、建玉は1,012枚のままです。
最後に両者が決済する取引が7枚成立すると、建玉は1,005枚になります。
出来高は12 + 5 + 7 = 24枚です。建玉の純変化は +12 + 0 - 7 = +5枚です。
これは仮定の会計例であり、価格の上昇や下落を予測するものではありません。
約定履歴だけでは新規か決済か分かりません
Time and Salesは約定価格、数量、時刻を示します。しかし、それだけでは両者が新規か、両者が決済か、一方が他方を置き換えたかを判定できません。
先物Time and Salesの読み方では、公開約定データで確認できる範囲を説明します。
大口取引でも建玉を増やす、減らす、変えない可能性があります。ポジション情報なしに「大口買いだから新規ロング」と断定しないでください。
建玉は通常、リアルタイムのポジション地図ではなく報告統計です
CME Groupは日次の出来高と建玉を公表し、速報値が最終値と異なる場合があると説明しています。
同じ限月と同じ報告日を比較してください。全限月の合計だけでは、期近の建玉が減り次の限月で増えるロールを見落とすことがあります。
フロント月とアクティブ契約では、満期前に流動性が次の限月へ移る理由を説明します。 [!TRYMARK] 建玉チェックポイント 9月18日の取引終了時に、正確な限月、前回の建玉、現在の公表建玉、日次出来高、速報値か最終値かを記録してから変化を解釈します。
方向シグナルではなく市場の文脈として使います
建玉は参加度と残るエクスポージャーを示せますが、参加者の意図や次の値動きを保証しません。
- 正確な商品と限月を確認する
- 同じ基準時点の前回建玉と比較する
- 出来高と未決済契約数の変化を分ける
- 速報値か最終値かを確認する
- 価格方向だけで新規と決済を推測しない
- ロール期は隣接限月も確認する
よくある質問
すべての先物取引で建玉は増えますか?
いいえ。新しい未決済契約が増えた場合だけ増加します。一方が新規で他方が決済なら不変、両者が決済なら減少することがあります。
建玉が増えると買い手が増えたという意味ですか?
未決済の対応契約が増えたという意味です。すべての先物契約にはロングとショートがあるため、建玉の増加だけでは方向別の参加者の強さは分かりません。
日次出来高から建玉を計算できますか?
できません。出来高はすべての約定を数えますが、建玉は各約定が新規か決済かで変わります。公表建玉または同等の清算データが必要です。
ロール時に限月間で建玉が移るのはなぜですか?
市場参加者が期近を決済し、先の限月を新規に建てるためです。市場へのエクスポージャーを維持しながら、一方の建玉が減り他方が増えることがあります。