先物のTime & Salesを読む方法
先物のTime & Salesを、正確な限月、取引日、レポートの範囲から読み、注文板、日次出来高、清算値、売買意図と混同しないための実務的な確認方法を解説します
要点
Time & Salesは、指定した先物銘柄・限月・データレポートで報告された価格、数量、条件を時系列で並べた記録です。行を読む前に、商品と限月、取引所またはフィード、セッション、取引日と時刻を固定します。1行から取引者の売買意図、次の価格、ライブ注文板、次の注文の約定を確定することはできません。
先に銘柄・限月・取引日・レポートの文脈を固定する
同じ商品名でも限月、セッション、取引所、データ提供者が違えば、同じ市場イベントを見ているとは限りません。画面やCSVの行を比較する前に、銘柄、限月、レポート名、対象フィード、セッション範囲、取引日、表示時刻を記録します。これが欠けると、別の限月の値動きや別のセッションの記録を一つのテープとして読んでしまいます。
CME Globex FuturesのTime & Salesでは、Date列は暦日ではなくCME Globexの取引日を示します。Price、Time、Sizeもそのレポートの列として読む必要があります。別のベンダーの画面へ移ると、ラベル、色、数量の扱い、時刻の表示方法、配信遅延は同じとは限りません。CMEの表示規則を他の取引所やベンダーの一般則として使わないでください。
特に日付が変わる時間帯をまたぐ比較では、画面のカレンダー日だけで照合しません。取引日とレポートの対象範囲をそろえて初めて、同じ限月の同じ記録を検討できます。記録の範囲を固定する作業は、価格の意味を予測する方法ではなく、別のデータを混ぜないための前提です。
テープの一行は完全な注文板の状態ではなく、ひとつのイベントとして読む
テープの1行は、そのレポートで伝えられた価格、時刻、数量、条件のイベントです。それだけで、誰が買いを主導したか、誰が売りを主導したか、大きな表示が上昇または下落を意味するかは分かりません。表示された価格と数量を、将来の値動きの予告や参加者の意図の証拠に変えないことが重要です。
Market by OrderとMarket by Priceは、注文板を別の粒度で扱う市場データ形式です。Time & Salesの連続する行を集めても、その瞬間のMBOやMBPの板状態、待機注文のキュー順位、非表示流動性を再構成することはできません。板の記録自体が変化しているため、表示が届くまでに状況は変わり得ます。先物の注文板と価格・時間優先で、板表示と実際の注文優先が同じものではない理由を確認できます。
同じ理由で、テープ上の価格を見ただけでは、後から送った注文の正確な約定や次の約定を保証できません。成行と指値は異なる制約を持ち、利用可能な反対側の数量や注文状態も別に確認が必要です。先物の成行注文と指値注文は、価格記録が約定予約にならない点を説明します。
約定・参考値・取消・訂正・挿入の記録を分ける
CME Globex FuturesのTime & Salesでは、価格の末尾にあるAは直前のlast以下で示されたofferまたはask、Bは直前のlast以上で示されたbidを表します。これはそのCMEレポートにおける説明であり、AやBだけから買い手・売り手の意図、攻めた側、将来の方向を確定してはいけません。
同じCMEレポートでは、通常の取引時間前にゼロのSizeがIndicative priceを表すことがあります。Cancelは誤って報告された取引、Correctionは価格または数量が修正された記録、Insertionはその日の後から追加された記録を示します。つまり、行の順番と見た数量をそのまま確定済みの総取引量として足し上げる前に、条件と訂正の有無を読む必要があります。
これらの語、記号、数量の扱いはCMEの当該レポートに限定して使います。他の会場やベンダーでは、同じ語が別の意味を持つか、色分け、時刻、遅延、表示順が異なる可能性があります。ひとつの画面の見た目から、他のフィードにも通じる規則を推測しないでください。
テープ、現在の板、日次出来高、清算値を混同しない
特定のCME Globex Time & Salesレポートは、CME全体の日次出来高と同じ範囲とは限りません。CMEが公表する日次出来高には、その特定のGlobexレポート外の会場が含まれることがあります。したがって、可視のテープだけから一日の総出来高を確定したり、注文板の全流動性を推定したりしません。先物の建玉と出来高は、出来高と別の日次指標を分けて読む基準を示します。
清算値もテープの最後の価格と同義ではありません。清算値は取引所が定める公式の日次値であり、最後に表示されたイベントとは別の値として確認します。先物の清算値と最終取引価格は、この二つを取り違えないための確認項目を説明します。
テープは特定レポート内のイベントを見直すための資料です。現在の板、公式出来高、公式清算値、口座の実際の約定記録はそれぞれ別の目的と範囲を持ちます。判断するときは、必要な記録を同じ銘柄・限月・取引日で照合し、欠けた情報をテープから補ったつもりにならないでください。
よくある質問
CMEのTime & SalesにあるAやBは、買い手と売り手の意図を示しますか?
いいえ。CME Globex Futuresのレポートでは、Aは直前のlast以下のofferまたはask、Bは直前のlast以上のbidを表します。この表示だけから、誰が売買を主導したか、次に価格がどちらへ動くかを決めることはできません。
Sizeがゼロの行は、取引量ゼロの約定を意味しますか?
必ずしもそうではありません。CMEの当該レポートでは、通常の取引時間前のゼロSizeがIndicative priceを表すことがあります。条件列と対象セッションを確認し、すべてのゼロを同じ種類の約定記録として扱わないでください。
Time & Salesだけで成行または指値注文の約定を確認できますか?
できません。テープは特定の市場イベントの記録であり、注文の受付、優先順位、反対側の利用可能数量、実際の口座約定を完全には示しません。注文の状態と最終約定は、口座と取引所の注文記録で確認します。