ダイアゴナルスプレッド戦略の仕組みとリスク
ダイアゴナルスプレッドの構造、ロングとショート、二つの満期、最大損益、IV期間構造、割り当て、ロールと手仕舞いを詳しく解説します
Mark編集 · 一次情報は記事末尾に掲載
要点
ダイアゴナルスプレッドは、同じ種類で権利行使価格と満期がともに異なるオプションを同時に買い、売る戦略です。一般的なロング型は期先を買って期近を売り、カレンダースプレッドの期間エクスポージャーとバーティカルスプレッドの方向性を組み合わせます。最初の満期までの価値は、原資産価格、二つのIV、セータ、ベガ、スキュー、満期間隔の変化に左右されます。両レッグが存在する間は、期近が先に消滅、割り当て、またはロールされるため、単一の最終損益図では表せません。
権利行使価格と満期の両方が異なる
同じ権利行使価格で満期だけを変えるのがカレンダー、同じ満期で権利行使価格を変えるのがバーティカルです。ダイアゴナルは両方を変えます。
ただし、原資産、オプション種類、乗数、受渡条件は共通である必要があります。決済方式が違うシリーズや調整済み契約を混ぜると、意図しないポジションになります。
ロング型とショート型では時間リスクが逆になる
ロング型は通常、期先を保有して期近を売り、多くの場合はネットデビットで始まります。期近の速い時間価値減少が有利になり得ますが、その関係は原資産価格で変化します。
ショート型は期近を買って期先を売ります。期近の満期後に、損失が大きい、または無制限になり得る期先の裸売りだけが残る場合があります。
期近満期が最初の重要な判断点になる
期近ショートは満期、買い戻し、割り当て、ロールのいずれかになります。選択するたびにデルタ、ベガ、セータ、必要証拠金、残る方向性が変わります。
期先ロングがショートの割り当てを自動的に解消するわけではありません。行使して株式を処理すると、残存する時間価値を失う可能性があります。
最大利益は建玉時に固定できないことが多い
期近満期でも期先には時間価値が残るため、その日の原資産価格とボラティリティ・サーフェスで結果が変わります。繰り返すロールは経路依存のキャッシュフローを加えます。
全額を支払ったロング型では当初デビットが重要な損失目安ですが、割り当て、行使判断、手数料、最初の満期後の保有によって口座損益は変わります。
一つのプレミアムではなく全体を管理する
単一IVや仲値ではなく、両レッグの売買気配を使って期近満期まで複数シナリオを評価します。期間構造、スキュー、イベント、配当、両シリーズの流動性も確認します。
ショートを閉じるかロールする条件、割り当て時の対応、許容できる残存ロング、手数料とスリッページ後の総費用を事前に定めます。
よくある質問
ダイアゴナルとカレンダースプレッドの違いは何ですか?
カレンダーは権利行使価格を同じにして満期だけを変え、ダイアゴナルは権利行使価格と満期の両方を変えます。そのためダイアゴナルには方向性と価格幅の判断が加わり、期近満期付近のデルタやガンマも純粋なカレンダーとは異なります。
ダイアゴナルスプレッドは損失限定ですか?
全額を支払った一部のロング型は、両レッグが維持される間の経済的損失に上限を設けやすい構造です。ただし早期割り当てで株式と証拠金が発生し、期近満期後のショート型では裸の期先売りが残ることもあるため、運用上のリスクまで自動的に限定されるわけではありません。
最大利益を正確に計算しにくいのはなぜですか?
期近が満期を迎える時点でも、期先オプションには未知の時間価値が残ります。その価値は原資産価格、IV、スキュー、金利、配当、残存日数で変わるため、建玉時のプレミアムだけから信頼できる最大利益を一つに固定できません。
ショートオプションの満期後には何が残りますか?
閉じる、行使する、新しいスプレッドに組み込むといった操作をしなければ、期先のロングオプションが単独で残ります。その時点ではロングのデルタ、ベガ、時間価値減少が口座を左右するため、単独保有を続けるか売却するかを先に決めておく必要があります。
出典
検討中の契約から始める
オプションと目標を選び、結果の背景にある株価・時間・ボラティリティの条件を確かめます
自分のオプションを分析する(英語)